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まとまった考えが浮かんだら書いています

2013-01-01から1年間の記事一覧

「習うより慣れろ」の真実?

我々が根本的な事柄を理解したと言うとき、それはただ「慣れた」だけであって真の意味で「分かった」と言えることは多くはないのではないか。 例えば、中学生に負の数を教えて「分かって」もらうのは難しい。我々はもう負の数に「慣れて」いてそれを当然だと…

最近のメモ帳から

しばらく何も書いていませんでしたが、アクセス解析を見ると、意外にも毎日5-10人くらいの人がこのブログを訪問してくれているようです。感謝します! しかも、Yahoo!検索で引っかかって来る人が最も多いという意外な事実。検索といえばGoogleだと思っていた…

分析的知識の意義について ~オカルトについての私の考え~

岡田暁生氏の『音楽の聴き方』(中公新書)は、「音楽の少なからぬ部分は語ることが可能である」という立場で、音楽を聴くという行為に対して徹底的に踏み込んだ記述をしているわけであるが、その際岡田氏は以下にあるような小林秀雄の考え方に対して、「も…

音楽は言葉で語れるか? ~分析と直観について~

音楽を言葉で語ることについて考えてみたい。 初めに言っておくが、音楽を完全に言葉で語ることはできないはずである。もしそれが可能ならば、音楽は必要ないからだ。しかし、だからといって、音楽は言葉で語れない、ただ感性の趣くままに捉えるだけだ、と考…

ヴァレリー・アファナシエフ ピアノリサイタル 2013年6月23日 びわ湖ホール

これが真のロシアピアニズムなのか。アファナシエフの本領はここにあったのか。圧倒的な演奏だった。 〈プログラム〉 ドビュッシー 前奏曲集第1巻 雪の上の足跡、沈める寺 プロコフィエフ 風刺Op.17 第2番 間のびしたアレグロ ショスタコーヴィチ 24の前奏曲…

古管尺八のCD 能 武満徹

私の持っている尺八のCDがとにかくよい。 浜松市楽器博物館 コレクションシリーズ6 古管尺八1 ~音の表情~(CD) http://www.amazon.co.jp/%E5%8F%A4%E7%AE%A1%E5%B0%BA%E5%85%AB1~%E9%9F%B3%E3%81%AE%E8%A1%A8%E6%83%85-%E6%B5%9C%E6%9D%BE%E5%B8%82%E…

科学が悪いのではなく、科学がどういう性質のものか分かっていないのが悪いのだ

小林秀雄の「科学する心」(You Tube) https://www.youtube.com/watch?v=X2ZA6x9fFtk 科学が悪いのではなく、科学がどういう性質のものか分かっていないのが悪いのだ。科学では何ができるのかを理解し、それをうまく使うことだ。 科学的内容を単に分かり易…

将棋電王戦について コンピューターは新しいことを考えることができるのか?

将棋のプロとコンピューターソフトが対戦する「電王戦」が話題となった。結果はコンピューターソフトの3勝1敗1分。コンピューターソフトの性能の高さを印象づけた。 この結果をどうとらえようか。朝日新聞(2013年4月23日)には、プロ側の視点として「現代将…

対称性のある図形は何かがつまらない

対称性と群論(数学)についての勉強をしている。対称性のある図形というのは確かに美しいのだが、何かがつまらない。勉強をしていてふとそう思った。 小林秀雄は『モオツアルト』の中で、均整とそれを破ることについてこう書いている。「誰も、モオツアルト…

理系と文系についての偏見

1、理系イメージ・文系イメージは偏見 理系・文系という区分は世間で一般的である。その区分に付随して、理系のイメージ・文系のイメージというものが存在する。例えば、竹内薫(著)・嵯峨野功一(構成)『理系バカと文系バカ』(PHP新書)では、世間一般…

先生の教えてくれたことをそのまま信じるな

先生がこうだと教えてくれたことをそのまま信じてしまうことがある。ここで思考停止している。先生の言ったことはかなりの確率で正しいとしても、自分でもっとよく考えて判断すべきである。あるいは、先生の言ったことは結果的に正しくとも、結論に至るプロ…

アジア人同士で話すときに英語が大事

英語ができないと馬鹿にされる、と思ったのは、ネイティブと話した時ではなく、同じアジア人同士で英語で話したときだった。これは私にとって意外だったが、よく考えるとそう感じたのは間違いではなかった。海外旅行でたまたま会った中国人の学生と一言二言…

クラヴィコードの不思議な演奏会

京都の「カフェ・モンタージュ」の演奏会で、クラヴィコードという楽器の演奏を聴いた。クラヴィコードは、ざっくりと「昔のピアノ」のひとつだといっていいと思うが、とにかく出る音が小さい。その音は、照明を落とした半地下の会場で、演奏者をじっと見つ…

酒は酔いを、珈琲は覚めをのみ楽しむものかは

私の考えでは、お酒や珈琲は味がおいしいから飲むのであって、決して「効果」を楽しむものではないのだ。吉田兼好をもじれば、「酒は酔いを、珈琲は覚めをのみ楽しむものかは」。

音楽で感情を表現するには?

私は、私の大好きな曲を愛情を持って演奏するが、その演奏に対し、テンポが揺れすぎだから直しなさい、などと言われると、泣きたくなったものだ。「ディレッタントの誤り。それは、空想と技術を直接に結びつけようとするところにある。」とゲーテは言った。…

シュトゥックハウゼンのピアノ曲の楽譜

シュトゥックハウゼンのピアノ曲の楽譜を見ていると、形式から自由になることを徹底的に形式化しているかのように思える。異様な複雑さは頭でっかちなものではない。頭に浮かんだ自由な音楽を楽譜という形式に直接表現したらこうなったという感じ。ショパン…

科学の実験の面白さとは

科学の実験においては、予想と違うことが起こるのがもっとも面白いのだというのが多くの科学者の語るところだ。予想通りの結果が出ることはもちろんうれしい。しかし、本当の発見は予想が外れるところから生まれるのだ。そこから新たな思考の可能性が発生す…

質問力

以前とある場所で学生による報告会があり、学生が1人15分ほど、1日に10人ぐらい、パワーポイントを使って壇上で発表した。私も発表した。他の発表は聴講した。各発表の最後には発表者への質問の時間がある。私は1日に何回も質問をした。その日が終わった後、…

私はエレベーターが嫌いだった

私はエレベーターが嫌いだった。 初めと終わりにふうとなるのが気持ち悪かった。 今はたいていのエレベーターは平気になったが、 ときどきデパートなどでひどいのがある。 勘弁してほしい。 むろん飛行機も好きではない。 ジェットコースターに乗る人の気が…

抽象と具体、そして具体

抽象的なことの方が普遍的で価値があるという固定観念がずっと付き纏っていて、損をしてきたかもしれない。具体的なことに目を向けるのは大事だ。文章でもそうだ。抽象的なことを書く場合にも、具体的な事象の裏付けは不可欠なのだ。抽象的なことも、具体的…

泳げなかった私

私は小学校4年生まで金槌だった。水に体を浮かべるとはどういうことか?水の中では人間は呼吸できない。水に重いものを入れると沈む。小学生とはいえ私の体はスーパーで売っている米よりは重い。ならば、全身を水に委ねるとすぐに沈んでしまうのではないか?…

コンサートでの暗譜は必要ない

「コンサートでピアノを弾くときには暗譜で弾かなければならない」というのが、どうやら多くの人の意見のようである。アマチュアのピアノコンサートでも、多くの人が暗譜で演奏をしている。私もアマチュアでピアノを弾く人間である。人前でもしばしば演奏す…

知識が役に立つとは?

役に立つ、ということを考えるときに、多くの場合我々は、役に立つことと効率の良さを混合して考えているのではないかと思う。役に立つというと、ある知識を得たときにすぐに使える、という効率の良さを思い浮かべがちだが、しばらくしてから役に立つ・たく…

頭の中を整理するには?

「机の上が整理されている人は頭の中も整理されている」と、 小学校の先生が言っていた。 「読み込んだ専門書が何冊本棚に並んでいるかがそのまま君の実力だ」と、 大学の先生が言っていた。 頭の中は案外可視化されている。 身の回りを見渡してみれば・・・。

空想対話―――カフェでゲーテと小林秀雄に話を聞く

大学生: というわけで、食堂の帰りに久しぶりに博物館に行ったんですね。ちょうどジョルジュ・ヴァザーリの建築に関する展覧会をやっています。こういうのは会期がいつの間にか終わっていることが多いので、気付いたときに行っとかないとと思って……。その特…

昼飯の選択の自由

キャンパス内にある2つの食堂で、選択の自由ということを思う。一方は日替わりでメニューが決まっている。A・B定食、カレーそして麺。もう一方は「ザ・めしや」方式である。さて、与えられた定食メニューを何も考えずに享受するか(といっても選択肢はあるが…

大学生と堕落、を真面目に

大学に入って自由になり勉強しなくなって留年した、などという現象は俗に堕落と呼ばれる。しかし、これは「健康な」堕落だ。大学生の中にはそうでない堕落をしてしまう人もある、と私には思われる。我々はこういった現象を大学生の自由だ・堕落だという笑い…

ひらめきと勉強

どんなに勉強して知識を得たとしても、ひらめきがなければ何にもならない。ひらめきが来ないならば葬り去ってもらうがよい!歩く・寝るを軽視してはいけない。

音楽家はマジシャン

音楽家はマジシャンだ。種も仕掛けもございます!音楽について語る者は、マジックショーを見て超現実的な現象の存在を信じ語るようなものだ。それは驚きに満ちてはいるのだが。

意味について問うことと問いの生成消滅

「なぜこんなことをやらなければならないのか」という問いは、ある仕事に従事し初めた頃には誰しも持つものであるが、長い間その仕事に従事しているうちに次第に慣れてきて、それが自分の日常の一部となる頃には、自然と消滅する。また、その仕事に従事し、…