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まとまった考えが浮かんだら書いています

質問力

以前とある場所で学生による報告会があり、学生が115分ほど、1日に10人ぐらい、パワーポイントを使って壇上で発表した。私も発表した。他の発表は聴講した。各発表の最後には発表者への質問の時間がある。私は1日に何回も質問をした。その日が終わった後、ある学生が私に「君はよく質問をするね。しかも鋭いのを。そんなに質問すると、自分の発表の時に鋭い質問を仕返しされるから、僕はそんなに質問をしないよ。」と言った。

 

質問とは何だろうか。質問をすることは意地悪なのだろうか。もし質問がそういった役割しか果たしていないのだとしたら、質問者は大いに反省しなければならない。私の考えでは、質問をするとは、発表を聴いてそこで話される内容に興味を持ち、もっとその内容を詳しく教えてほしいからそうするのである。質問とは発表者との対話である。発表者への攻撃であってはならない。発表者と共に発表内容をより深く理解しようとするためのものであり、発表に対する敬意を伴ったものだ。(※)

  

うまく質問するというのは難しい。よく、分からないなら質問しろ、と言われる。しかし、何が分からないのか分かっていないと、質問できない。質問ができるときは、かなり分かっている状態なのだ。質問をする人が実は一番内容を理解しており、考えている。

 

普段の大学の講義でも、質問をする人は非常に少ない。質問ができる人は、と言ってもいいかもしれない。それは要するに、思考が回っていないのである。どんなに就活で気張ろうと、普段の講義で質問できるようでなければ、全く駄目だ。私も心してかからねばならない。

  

 

 

(※)もちろん、質問も場の空気というものがあるので、それに対する配慮は必要だ。どのタイミングでどの質問を出すかを考え、好機を逃さずに質問をする、というのにはとても気を使う。