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メモノート on Hatena Blog

まとまった考えが浮かんだら書いています

泳げなかった私

 

私は小学校4年生まで金槌だった。水に体を浮かべるとはどういうことか?水の中では人間は呼吸できない。水に重いものを入れると沈む。小学生とはいえ私の体はスーパーで売っている米よりは重い。ならば、全身を水に委ねるとすぐに沈んでしまうのではないか?そして自分は息ができなくなって死んでしまうのではないか?周りの友達はちゃんとみんな水に浮かんでいた。そして泳いでいた。私はそれをこの目で見ていた。しかし、恐怖だった。私は水に体を委ねるということができなかった。その感覚が分からなかった。

 

 

 

それがあるとき、水に体を浮かべる感覚を掴んだのだ。今でも覚えている。ある日の、いつもなら憂鬱なプールの時間。先生の笛が鳴り、私の「蹴伸び」の順番が回ってきた。大きく呼吸をして、足で壁を勢いよく蹴った。足を真っ直ぐに、そして両手を頭の上にピンと伸ばし、体を床と平行にする。そして全身の力をふんわりと抜く。これは完全に水に全身を委ねたことを意味する。するとどうだろう。すぐには分からなかったが、どうやら私の体は沈んでいないらしい。つまり、私は水に浮かぶことができた!奇跡の瞬間だった。私にとってのすべての疑問が解決した。もっとも、息を大きく吸い込んでおけば、少々水の中に沈んだとしても、すぐに足を床につけることはできるから、すぐに頭を大気中に出すことができ、息ができなくて死んでしまうことはないのだった。

 

 

 

こんなことを書いても、ほとんどの人には分かってもらえないかもしれない。残念なことに、体育の先生は我々に、平泳ぎの上手な足の動かし方は教えてくれても、人間が水に浮かぶという感覚は教えてくれなかった。私は皆が何となくできることでも、事細かに理解しなければすることができないのだった。この器量の悪さは今でもあまり変わらない。よく馴染むまで自分の手で練習できないものを、私はうまく扱うことができない。

 

 

 

もしもプールで同じような悩みを抱えている小学生がいたら、この拙文を読んで勇気を出してほしいと思う。